【6月27日 AFP】SNS大手フェイスブック(Facebook)が先週末にかけて、ユーザーのプロフィールページの連絡先メールアドレスを同社のメールサービスのアドレスに「予告無しに」切り替えたことについて、ユーザーから怒りの声が上がっている。

 コンピューターセキュリティー対策企業ソフォス(Sophos)のコンサルタント、グラハム・クルーリー(Graham Cluley)氏はブログ上で同社を批判するコメントを投稿している。

「(フェイスブックは)オンライン上の友達にデフォルトで表示される連絡先アドレスを、自社の『@facebook.com』ドメインのアドレスに変えるという明確な告知を行わなかった。ユーザーに@facebook.comアドレスを使用させることによって、サイトへの依存度を高める狙いがあるのは明らかだ」

 このような批判に対しフェイスブック側は、今回の変更は4月に予告された内容に沿ったものだとの声明を発表している。予告では、「サイト全体で一貫性を持たせるため、アドレスをアップデートする」とされていた。

 世界に9億人のユーザーを持つフェイスブックは、過去にもプライバシー設定の変更をめぐり批判にさらされている。

 今回行われたアドレス設定の切り替えは、グーグル(Google)やヤフー(Yahoo!)が提供する競合メールサービスからユーザーを遠ざけ、ターゲット広告を展開する自社サービスへと誘導する狙いがあるとも受け取れる。

 ユーザーの中には、「通信を行う人々の間に気付かれずに入り込む『中間者攻撃(MITM)』同然だ」との厳しい意見を述べる人もいる。

 ユーザーは、プロフィール設定を手動で変えて連絡先アドレスを元に戻すことができる。(c)AFP