【2月2日 AFP】友人やソウルメイト、さらには生き別れた親から仕事まで、人生における大切な物が多く見つかる場所――全世界の約10%の人々にとって、ソーシャルネットワーク最大手の米フェイスブック(Facebook)はそんな存在だ。

■外国の人とカップルに

 言うなればそこは、24時間続く仮想世界のパーティー。友人の友人と知り合い、恋人にめぐり会えるところだ。

 イタリア在住だったサンドリーネさんと仏パリ(Paris)に住んでいたアントワーヌさんは、フェイスブックで出会い、このほど愛娘をもうけた。

「2人ともフェイスブック上でオンラインゲームを楽しんでいました。ある日、共通の友人が敵になったのです」と、サンドリーヌさんは当時を振り返る。「初めは互いにふざけ合っていたのですが、そのうちに短いメッセージから長いメールのやりとりへと発展し、2か月後に感動的な出会いを果たしました」

■音信不通の友人や家族と「再会」

 フェイスブックは世界8億人以上の住所録としても活用でき、音信不通の友人や親族を見つけることも可能となる。もちろん私立探偵を雇うよりずっと経済的で、簡単だ。

 米ニューヨーク(New York)在住のトルコ人男性カネル・オングンさんは、15年間ずっと連絡の取れなかった友人のチェティンさんとフェイスブックで再会した。インターネット検索や電話帳で探してもどうしても行方がつかめなかったのに、フェイスブックに登録した途端、数クリックであっという間に見つかったという。

 チェティンさん自身も、離婚して音信が途切れてしまった元妻と娘をフェイスブックで見つけた。まだ実際に顔を合わせてはいないものの、現在は日々娘とのやりとりを楽しんでいる。

■世界中との「距離」縮まる、仕事機会も

 グローバル化が進む現代世界で、フェイスブックは理想的なツールとして確立しつつあるようだ。

 オーストラリア・シドニー(Sydney)でファッション誌のコンサルタント業を営むスティーブン・トッドさんには、フェイスブック上に「友達」が1053人いるが、地元シドニー在住はそのうち99人のみ。「僕にとってのフェイスブック最大の利点は、世界中の友達がすぐそばにいると感じられる点だ。たとえ辛らつだったり、つまらないものだったとしても、そこには対話がある」

 フェイスブックは世界規模の広告掲示板にもなる。就職先や仕事上の取引相手を探すことができるのだ。アーティストやジャーナリストから宝石職人まで、フェイスブックのページは今やファンや顧客、同業者が最初にアクセスする場所となっている。

 フェイスブックの「ステータス」に風刺の効いたコメントを投稿することで知られていた米ニューヨーク在住のフランス人ジャーナリスト、ステファニー・シャイエさんはある日、「スイバ――新種のほうれん草」と書き込んだ。それが上司の目に留まり、シャイエさんは「キッチンにおける最新流行」という記事を執筆する機会を得たのだった。(c)AFP/Veronique Dupont

【図解】フェイスブックのユーザー数の推移
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