【11月30日 AFP】豪連邦裁判所は30日、米アップル(Apple)が韓国のサムスン電子(Samsung Electronics)のタブレット端末「ギャラクシータブ10.1(Galaxy Tab 10.1)」のオーストラリア国内での販売差し止めを求めていた訴訟で、10月に出した販売を差し止めの仮処分を破棄した。

 アップルとサムスン電子は、全世界で1000億ドル(約7兆8000億円)規模に上るタブレットPCとスマートフォン市場で優位に立とうと、オーストラリアをはじめ日本、韓国、米国でタブレットPCとスマートフォン関連の技術をめぐる法廷闘争を繰り広げている。

 アップル側は、ギャラクシータブ10.1は自社のタブレット型端末「iPad」を模倣したものだと主張しているが、シドニー(Sydney)の豪連邦裁はその正式審理前に販売差し止めの仮処分を覆した。

 その直後にアップル側が手続きを一時的に停止させる命令を勝ち取ったため、サムスン電子は日本時間12月2日午後2時まで豪州国内でギャラクシータブ10.1を販売することはできない。アップル側は販売差し止めを12月2日以降にも延長するよう高裁に求めることができるが、サムスン側はこれに異議を唱えている。

 豪連邦裁は10月、サムスン電子がタッチスクリーン技術に関するアップルの特許を侵害しているとして、サムスン電子側に豪州国内でのギャラクシータブ10.1の販売を差し止める仮処分を出していた。しかし30日の決定で連邦裁は、ギャラクシータブ10.1を販売することによってタッチスクリーンに関するオーストラリアの特許が侵害される可能性は実質的にはないと判断した。(c)AFP/Madeleine Coorey