【11月24日 AFP】フィリピンで、行方不明になっていた認知症の男性(78)が、フェイスブック(Facebook)のユーザー数万人の助けで2週間ぶりに家族のもとに戻った。男性の娘が23日明らかにした。

 ルイス・マティアス(Luis Matias)さんは今月11日、マニラ(Manila)の自宅を出たまま行方がわからなくなった。警察が捜索したが、発見できなかった。

 妻のアウレリア(Aurelia Matias)さん(73)は、以来、夫の情報を求め、背中に夫の写真を掲げて街頭に佇むようになった。この物悲しい後ろ姿のモノクロ写真が21日にフェイスブックに掲載されたのが事の始まりだった。

 掲載したのは、「Reddie Js」を名乗るアマチュアカメラマン。「あのような形で夫を探している彼女を見て、心が痛んだ。助けようと思いました」と振り返る。

 この写真はその後、6万1000回近くシェアされた。そして翌22日、自宅から歩いて30分ほどの場所でフラワーボックスに腰掛けている男性をフェイスブックのユーザーの1人が見つけ、ラジオ局に通報した。

 娘のノルマさん(48)はAFPに対し、「わたしたちはフェイスブックの使い方さえ知らないけれど、本当に大きな助けになりました。母さんは希望を失いかけていたんです。母さんを撮影して写真を掲載してくれた方には本当に感謝しています」と述べ、「父さんは母さんの初恋の人だったんですよ」と付け加えた。(c)AFP

【参考】アウレリアさんの写真が掲載されたフェイスブックのページ