【12月19日 AFP】米非営利調査機関ピュー・リサーチ・センター(Pew Research Center)が15日発表したインターネットトレンドの調査報告書によると、ネット利用者は依然として若者中心だが、高齢者によるSNSやオンラインショッピングの利用が大幅に増えている。

 現在18~33歳の「ミレニアル世代(Millennial Generation)」はスマートフォン(多機能携帯電話)によるオンライン接続など、インターネットのどの分野でもトップを走っているものの、勢いという点においてはいくつかの分野で首位の座を明け渡している。

 報告書は「より高齢な人びとがコミュニケーションやオンラインエンターテインメントに参加し始めており、その伸び率は近年で最も速い。特に(米SNS)フェースブック(Facebook)などのSNSの活用で顕著だ」と述べ、「ミレニアル世代が圧倒的な分野でも、より高齢の世代の躍進がめざましい」と結論づけた。

■SNS利用、米成人の6割に

 46~55歳の「後期ベビーブーマー世代(Younger Boomers)」のうち、ソーシャルネットワークを利用する人は2年前には20%だったが、ことしの調査ではおよそ半数に伸びた。

 ソーシャルネットワーク利用者の伸び率が最も高かったのは74歳以上の世代。この2年で4倍に増え、全体の16%がSNSを利用するようになった。

 また、米国の成人全体のSNS利用率はこの2年で倍増し、61%となった。ミレニアル世代は全体の83%が利用している。

■健康情報が人気、ブログは落ち目

 オンラインの動画閲覧はミレニアル世代の独壇場だが、ほかの世代の視聴も増えている。56~64歳の「前期ベビーブーマー世代(Older Boomers)」の55%がネットで動画を見たことがあり、74歳以上の「G.I.世代(G.I. Generation)」の5人に1人が視聴経験があった。

 また、オンラインでニュースを閲覧する人も増えた。さらに、ミレニアル世代がテキストメッセージの送信やオンラインゲームの利用が多いのに対し、より高齢の世代は、政府公式ウェブサイトを訪問したり、金融情報を確認したりするといった利用が多かった。

 オンラインショッピングやオンライン口座、電子メール、検索サイト、商品のレーティング(評価)なども人気があった。報告書によると、かつては高齢者の利用が多かった健康情報サイトの若者の利用が増え、18歳以上のネット利用で第3位の人気となったという。

 唯一人気が落ちたのはブログ。マイクロブログのツイッター(Twitter)やフェースブックのアップデートなどを好む人が増えたことが原因だ、と報告書は分析した。(c)AFP