【8月9日 AFP】生活のオンライン化がますます進む中、米レガシーロッカー(Legacy Locker)は「デジタル遺産」を子孫に残すための「バーチャル金庫サービス」を提供している。

 レガシーロッカーの創業者ジェレミー・トーマン(Jeremy Toeman)氏は、長男の誕生、インターネットに精通した94歳の祖母の死、乱気流に巻き込まれたフライトを相次いで経験したことをきっかけに、2009年4月に米サンフランシスコ(San Francisco)で同社を立ち上げた。

 というのも、トーマン氏はドメインを複数所有しており、万が一の場合には妻が引き継ぐことになっているが、妻にドメインを移譲する方法が存在しないことに気づいたためだ。そして、ネットユーザーがフェースブック(Facebook)、ツイッター(Twitter)、ウェブメールサービスなど、オンライン上に蓄積した写真、動画、電子メールなどのデジタルコンテンツの行く末が、気になり始めたのだという。

「これまでは靴箱に詰め込んだ写真や日記を受け継いだが、これからは(写真共有サイト)フリッカー(Flickr)のアカウントやブログを受け継ぐことになるだろう」

 利用料は年間30ドル(約2500円)または一括300ドル(約2万5000円)で、ログインアカウントとパスワード情報や、ドキュメントやビデオファイルのバックアップを保管するオンライン金庫が利用できる。また、死後に相続者に通知される「遺言」を残すこともできる。

 トーマン氏によると、アカウントのパスワード用金庫として利用するのが1番の用途だが、デジタル遺産のネット上での安全な保管場所となるべく、ツールの構築を進めているという。(c)AFP/Glenn Chapman


【参考】http://legacylocker.com/(英語)