【5月26日 AFP】米マイクロブログサービス「ツイッター(Twitter)」で英石油大手BPの広報を名乗るアカウント「@BPGlobalPR」が現れ、多くのフォロワーが殺到している。だが、米沿岸における原油流出の対応に追われているBPのアカウントとしては、どこか様子が変だ。

 例えば、このアカウントの主は、「漂着した原油もBPの所有物です。浜辺で原油を発見しても、持ち去ったり除去したりしないでください。持ち去った人は法的手段に訴えます」、「今回の原油流出で受けた苦情1件につき1ドル払ったとしても、当社が現在持っている資産とは比べるべくもありません。石油はもうかる産業だ」などとつぶやいている。

 さらに、「BPが今夏のニューオーリンズ・ブルース・フェスティバル(New Orleans Blues Festival)のスポンサーに決定したことをお知らせします。スペシャルゲストはマディ・ウォーターズ(Muddy Waters)です」といった、ヒトを食ったようなつぶやきも。 マディ・ウォーターズは米国の著名なブルースミュージシャンだが、その名を直訳すると「泥水」の意味になる。

 このBP広報「なりすまし」アカウントは19日に登録されている。登録した人物は不明だが、すでに2万人のフォロワーがおり、これは本物のBPツイッターアカウント「@BP_America」の4倍を超える。

 一方、本物のBP広報のトビー・オドーン(Toby Odone)氏は、「なりすまし」のBPアカウントの存在に気づいてはいたが、BPとして偽アカウントの削除依頼は行っていないようだと広告業界誌「Advertising Age」に語った。

「人びとにはBPに対する自らの考えを述べる権利があり、われわれはそうした意見を甘受する用意があります」(オドーン氏)

 一方、米国での原油流出問題についてオドーン氏は、原油流出および除去作業に全力で取り組んでいると語った。(c)AFP