【5月15日 AFP】米グーグル(Google)は14日、同社の地図情報サービス「ストリートビュー(Street View)」用の画像を撮影する車両が、数年間にわたって、無線LANのWi-Fi(ワイファイ)から発信される個人情報を誤って収集していたと発表した。

 グーグルは、携帯端末向けのストリートビューで提供するため、2006年から無線LANのWi-Fi情報をストリートビュー車両で収集していた。しかし、セキュリティのかかっていないWi-Fiネットワークを使用する家庭もあり、そういった家庭が送信する個人情報が、プログラムのミスにより誤って収集されてしまっていたという。

 グーグルのアラン・ユースタス(Alan Eustace)エンジニアリング リサーチ上級副社長は、ドイツ・ハンブルク(Hamburg)にある情報保護局DPAData Protection Authority)からWi-Fiデーターの監査要請があったことを受けて、個人情報の誤収集が発覚したと述べた。グーグルのWi-Fi情報収集については、これまでドイツを中心に賛否をめぐって議論が巻き起こっていた。

 グーグルは、ストリートビュー車両によるWi-Fiネットワーク情報の収集を全面中止するとともに、これまでに集めた個人情報を破棄する準備を進めていると発表。これまでに収集された個人情報は約600ギガバイト分だった。パスワードで保護されていないWi-Fiネットワークからの個人情報が収集されていたが、ユースタス氏は「この情報をグーグル製品に利用したことは一度も無い」と述べた。

 また、ユースタス副社長は、移動する撮影車が通過した際にたまたま使われていたWi-Fiの情報だけが集められたと説明。さらに「車両内のWi-Fi機器は、1秒間に5回程度の頻度でチャンネルを自動で切り替えている」と述べ、収集された個人情報は断片的なものにとどまると語った。

 グーグルは収集した個人情報の中身については明らかにしなかったが、電子メールの内容やウェブサイトの訪問履歴などが含まれる可能性がある。グーグルによると、ストリートビュー車両がWi-Fi情報を収集していた地域は日本や米国、ドイツを含む33の国と地域。(c)AFP/Chris Lefkow