【2月25日 AFP】中国政府が、インターネットの新たな規制として、「.cn」ドメインを取得する際に、規制当局者との面接と、個人情報の提供を義務づけた。これに対し、人権団体はネットの「管理強化」だと非難している。

 中国のネット人口は3億8000万人以上。中国当局は「万里のファイアウオール(Great Firewall of China)」と呼ばれる大規模なシステムを導入してネットを管理しているが、これに対して米政府は撤廃せよとの圧力を強めている。

 23日の中国の国営メディアによると、中国工業情報省が8日、地域当局に新たなガイドラインを出し、これに伴って前年12月以降禁止されていた個人による「.cn」ドメインの取得が解禁となった。しかし、ドメイン名を取得するには、身分証明書と写真を提出し、さらに規制当局者と面接をしなければならないという。

 中国工業情報省は、この新たな規制について、オンラインポルノ対策のためのものと説明している。しかし、国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団(Reporters Without BordersRSF)」は、中国政府の狙いがオフラインで人びとを脅すことにあると批判し、「これらの新たな規制は、中国インターネット状況の非常に不穏な後退を示している」と述べた。

「この規制の目的は、インターネット利用者に規制当局者との面接を義務づけることで、利用者に自己検閲を行わせようというものだ。ひと言の問題発言だけで利用者を収監する権限を持った当局者と面接した後に、あえて体制批判をしようとするネット市民がいるだろうか?」(国境なき記者団)

 国営英字紙・環球時報(Global Times)は24日、ウェブサイト「admin5.com」が実施したオンラインアンケートで、回答者1300人のうち7割以上が、「.cn」ドメインが解禁されても取得するつもりがないと答えたと報じた。あるウェブサイト管理者は、「方針が毎日変わる。自分の.cnドメインのウェブサイトがある日突然閉鎖されないかどうか、判断することができない」と語った。(c)AFP