【2月16日 AFP】全世界の携帯電話利用者が2010年内に50億人に達するとの見通しを、国際電気通信連合(International Telecommunications UnionITU)が15日、スペインのバルセロナ(Barcelona)で開催されている移動体通信業界の世界大会「2010年モバイル・ワールド・コングレス(Mobile World Congress)」で発表した。先進国のスマートフォン人気に加えて、発展途上国でも携帯電話利用者が急増しているためだという。

 ITUのハマドゥーン・トゥレ(Hamadoun Toure)事務総局長によると、世界経済危機の最中でさえ通信サービス需要の落ち込みはなかったという。すでに携帯電話サービスの加入者数は2009年に46億人に達しており、トゥレ事務総局長は「携帯電話からのネットアクセス増加が見込まれる2010年、携帯電話利用者数は引き続き急増加する」との見方を示した。

■医療、金融サービスの利用が増加

 一方、発展途上国における携帯利用者の増加は、主にモバイルバンキングや携帯電話を用いた医療サービスの利用が増えていることが要因だという。

 その例としてトゥレ事務総局長は、医療機関による診療予約日や妊婦定期検診日の携帯通知サービスや、抗レトロウイルス薬やワクチンなどの投与法や時期を説明するショートメッセージサービス(SMS)を紹介した。こうした手法は莫大なコスト削減だけでなく、多くの生命を救っているという。

 さらに、銀行口座を持たない人びとが、携帯電話を通じて金融取引をする例も増えているという。(c)AFP