【1月22日 AFP】ドキュメンタリー映画の撮影のためハイチを訪れ、震災に見舞われた米国の映画監督が、米アップル(Apple)の多機能携帯電話「iPhone(アイフォーン)」の医療アプリケーションのおかげで、がれきの下から約3日ぶりに生還を果たした。

 ダン・ウーリー(Dan Woolley)さんは、貧困をテーマにしたドキュメンタリー映画の撮影のため訪れていたハイチの首都ポルトープランス(Port-au-Prince)でハイチ大地震に遭遇。足を複雑骨折し、頭部に重傷を負って大量出血した状態で、倒壊したホテルのがれきの下に閉じこめられてしまった。

「でも、ちょうどiPhoneを持っていて、医療アプリがインストールしてあった。それで、出血のひどい場合や複雑骨折の応急処置の仕方を調べることができたよ」と、米フロリダ(Florida)州マイアミ(Miami)でMSNBCの取材に応じたウーリーさん。

 ウーリーさんは、ジャイブメディア(Jive Media)の「Pocket First Aid and CPR」(ポケット応急手当法と人工呼吸法)の指示に従って、シャツで脚を縛り、頭の後ろに靴下をあてた。その後、大量出血によるショック状態の診断にもiPhoneアプリを使ったという。

 さらにウーリーさんは、iPhoneのより基本的な機能も利用した。眠ってしまわないように20分ごとにアラームを鳴らしたのだ。

 こうして、地震発生から約66時間後、ウーリーさんはフランスの救助隊によって無事、救出された。(c)AFP