【11月1日 AFP】中国のインターネット規制当局は、マイクロブログサービス「ツイッター(Twitter)」の利用者が「ベルリンの壁」の崩壊についてコメントを寄せることのできるサイトへのアクセスを遮断した。同サイトの運営者が29日述べた。

 このサイト「berlintwitterwall.com」は、20年前のベルリンの壁崩壊の夜の思い出を交換する目的で立ち上げられた。しかし、あっという間に、中国当局の検閲システム「万里のファイアウオール(Great Firewall of China)」に抗議する公開討論場に変ぼうした。

 「berlintwitterwall.com」のプロジェクト・コーディネーター、Carsten Hein氏は、サイト上のバーチャルな「ベルリンの壁」に残された約3300のコメントのうち、実に1500が中国語で書かれたものだったと述べる。

 Hein氏は、複数の情報筋の話として、同サイトは「北京(Beijing)時間の26日夜よりアクセスが制限された」と語った。

■中国語で「壁」に記された「万里のファイアウオール」への抗議

 中国のニュースを伝える米ニュースサイト「China Digital Times」によると、あるユーザーは、1987年にベルリン(Berlin)でロナルド・レーガン(Ronald Reagan)米大統領(当時)がミハイル・ゴルバチョフ(Mikhail Gorbachev)ソ連共産党書記長(当時)に「この壁を倒しなさい」と呼びかけた発言にならって、「(中国国家主席の)胡錦濤(Hu Jintao)さん、どうかこの『万里のファイアウオール』を倒してください」と、サイト上のベルリンの壁に記した。

 また、別のユーザーは、「(このサイトを乗っ取ったことについて)ドイツのみなさんに100万回の謝罪をします。けれど、ドイツのみなさんもわれわれの置かれた状況を知れば、きっと、われわれのことを『かわいそうだ』と100万回は思うでしょう」と記した。

 困惑した様子のあるドイツ人利用者は、「ベルリンの壁が中国語をしゃべってるぞ!」と書き込んでいた。(c)AFP