【1月25日 AFP】香港の映画製作者が、「世界初の3D(立体)官能映画」で映画館に観客を呼び戻すことを目指している。香港の英字紙サンデー・モーニング・ポスト(Sunday Morning Post)が25日伝えた。

 同紙によると、ワンダラー・プロダクション(One Dollar Production、一元製作室有限公司)のStephen Shiu会長は、制作費3000万香港ドル(約3億4000万円)の映画「3D Sex and Zen」で、ラブシーンを可能な限り現実感のあるものにするため、3Dの特殊効果を使用すると語った。

「3Dによる官能シーンは、おそらく世界初だろう。ベッドのすぐそばに座って、眺めているところを想像してみてほしい」(Stephen Shiu会長)

 同映画は、17世紀の中国官能文学の古典「The Carnal Prayer Mat」にヒントを得たもので、享楽におぼれることが悲劇につながるという教訓を伝えるストーリー。映画の25-30%がラブシーンになり、クローズアップが多用される。

 立体効果を楽しむために特殊なメガネを使用すると、女優が、観客からほんの数センチの距離に見えるという。

 Shiu会長は、「カメラの前で脱いでくれる男優を探すのに苦労している。この手の映画では、女優を探すことよりも男優を見つけるのが難しい」と述べた。

 撮影は4月に開始し、クリスマスまでに公開される予定。

 香港では近年、旧来の映画館来場者層が自宅でのDVD鑑賞に移行するなか、映画館が多数閉鎖している。(c)AFP