【12月17日 AFP】米ソフトウエア大手マイクロソフト(Microsoft)は、17日にも同社のブラウザー「インターネットエクスプローラ(Internet ExplorerIE)」に侵入しコンピューター本体を乗っ取られてしまう危険性の高い、ソフトウエア上の欠陥に対処する更新プログラムを緊急提供する予定だ。

 同社は16日、「顧客に対する脅威」に対して、ただちに世界中のセキュリティ技術チームを動員し「これまでに比べ異例の8日以内に」更新プログラムを提供すると発表した。

 セキュリティー対策ソフトを開発・販売する「トレンドマイクロ(Trend Micro)」の専門家によると、このIEの脆弱(ぜいじゃく)性を突いた攻撃は「猛烈な勢い」で拡大しており、すでに数百万台のコンピューターが被害を受けているという。

 トレンドマイクロによると、マイクロソフトは通常、各月の第2火曜日に更新プログラムをリリースしているが、今回は通常とは異なり緊急のもので、ユーザーに迅速な修正を求めていることは、脅威の深刻さを物語るものだとしている。トレンドマイクロのポール・ファーガソン(Paul Ferguson)氏は「パッチが提供された場合、すぐにインストールするべきだ」と強調した。

 トレンドマイクロは、約1000のウェブサイトがこの有害ソフトに感染していることを確認している。このソフトウェアは、ウェブサイト利用者の保護されていないIEに侵入し、脆弱性を悪用するという。11月に発表された産業統計によると、IEは世界のコンピューターの約4分の3で使用されているという。

 ファーガソン氏によると、脆弱性はIEの最新版だけでなく、「複数のバージョン」で確認されつつあるという。トレンドマイクロは、IEのユーザーに対し、マイクロソフトからの予防アドバイスに注意するか、更新プログラムが適用されるまでIEの使用をやめるよう求めている。(c)AFP/Glenn Chapman