【7月30日 AFP】サメ類やエイ類の絶滅危惧種7種を保護するための新協定を開始するにあたって欧州連合(EU)が後援している調査で30日、サメの捕獲量が最も多い国はインドとインドネシアであることが明らかになった。

 報告は、国際自然保護連合(IUCN)と世界自然保護基金(WWF)が共同運営する野生動物取引を監視するNGO「トラフィック(TRAFFIC)」が発表した。

 2002年から11年にかけてサメの捕獲量を調査したトラフィックの報告によると、インドとインドネシアの2国で世界全体の捕獲量の2割以上を占めていた。また全体の8割は上位20か国によるものだった。両国に続く3位以下の国は、スペイン、台湾、アルゼンチン、メキシコ、米国、マレーシア、パキスタン、ブラジル、日本、フランス、ニュージーランド、タイ、ポルトガル、ナイジェリア、イラン、スリランカ、韓国、イエメンの順となっている。

 報告書の作成については、昨年3月にタイのバンコク(Bangkok)で開かれたワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約、CITES)締約国会議で、サメ・エイ計7種が取引規制の対象に指定されたことを受け、欧州委員会(European Commission)が要請していた。

 規制の開始は2014年9月からで、各国はそれまでに持続可能な取引レベルを見極め、産業への適用方法を決定することになっている。

 ただし、捕獲量の多い国と取引の多い国は必ずしも一致していない。トラフィックによると、フカヒレの輸出が多い国はバングラデシュ、モルディブ、オマーン、シンガポール、タイ、アラブ首長国連邦(UAE)で、サメの肉の輸出が多い国はナミビア、南アフリカ、パナマ、ウルグアイとなっている。

 サメの個体数は、中国のフカヒレ需要の高さを主な理由とする乱獲によって減少している。またサメの減少による生態系への影響として、クラゲの爆発的な増加が挙げられている。(c)AFP