【4月22日 AFP】地球は19世紀末まで寒冷化していたが、100年後の20世紀末には、地表の平均気温が過去1400年で最も高くなっていたとする気候データが、21日の英科学誌ネイチャージオサイエンス(Nature Geoscience)に掲載された。

 今回発表されたのは、過去2000年間を対象にした気温の復元データで、古環境の変遷研究計画(Past Global Changes)の2Kネットワーク(2K Network)と呼ばれる科学研究計画との協力によりまとめられたもの。7大陸にわたる規模の世界511か所で採取した、気候データおよび樹木の年輪、花粉、サンゴ、湖底や海底の堆積物、氷床コア、石筍(せきじゅん)などの気温変動の痕跡を示すデータが集積されている。

 研究によると、世界中の「長期にわたる寒冷化の傾向」は、19世紀末に逆方向に変化。20世紀には、平均地球温度は、過去500年より0.4度高かったが、南極大陸だけはこれと逆の傾向が見られた。1971年から2000年の間、地球は過去ほぼ1400年で最も温暖だった。

■地球規模でみられる2つの傾向

 今回の研究は、各大陸の過去2000年間にわたる気温の復元に挑んだ最初の試みであり、地球温暖化に関して激しい議論が交わされている問題の解決の糸口となることが期待されている。

 懐疑派は、欧州の中世温暖期(Medieval Warm Period)や小氷期(Little Ice Age)などの、産業革命以前に一時的な寒冷化・温暖化が起きていることは、気候変動が自然によるもので、人為的なものではない証拠だと主張してきた。

 今回の新たな研究は、温室効果ガスの議論には立ち入らずに、地球規模で見られる2つの傾向を指摘している。

 1つは、長期に及ぶ明らかな寒冷化で、これは、火山活動の増加により、成層圏に巻き上げられた火山灰が太陽光を反射したり、太陽活動の低下や地球軌道の微小変化により、地球に降り注ぐ太陽光が減少したりするなど、さまざまな要因が重なって発生した可能性がある。

 もう1つは研究によると、地域によるが、1000年間で0.1~0.3度の寒冷化は、19世紀末に近づくにつれて次第に温暖化に転じ、続く20世紀には温暖化がさらに強まる傾向が見られたという。

 この2000年間に及ぶ世界的傾向の下には、各大陸での寒冷化・温暖化の期間が存在したが、中には非常に長期に及ぶものもあった。

 地球全体の傾向より時期的に遅れた大陸もあったが、南極大陸の例外を除き、総じて同じ傾向を示した。

 今回の研究計画に参加した24か国78人の研究者の1人、スイス・ベルン大学(University of Bern)のハインツ・ワナー(Heinz Wanner)氏は「中世温暖期や小氷期などの特徴的な期間は目立って見えるが、数十年規模で世界的に均一な傾向を示すものではない」と語る。

 一方、ベルギーのルーベン・カトリック大学(Catholic University of Leuven)の気候学者、ユーグ・グーセ(Hugues Goosse)氏は「地球上のすべての地域に共通して見られる傾向がある。全大陸における、19世紀までの長期の寒冷化と、それに続く温暖化だ。ただし南極大陸は例外で、傾向はそれほど明確でなく、地域によって大きなばらつきも見られる」と述べている。(c)AFP