【3月25日 AFP】上海(Shanghai)市内を流れる黄浦江(Huangpu River)に大量のブタの死骸が流れ着いた問題で、上海市当局は24日夜、死骸の全面回収の見通しが立ったと発表した。これまでに回収された死骸は合わせて1万6000匹以上に上っている。

 上海市当局は声明で「市の河川を漂うブタの死骸を回収する作業は、基本的に完了した」と述べた。当局によると、回収された死骸は23日に93匹、24日には98匹と、初めて100匹を下回った。

 黄浦江は上海市の飲料水の22%を供給する河川。24日午後までに回収した死骸の数は1万924匹に上っている。これに加え、先週の国営ラジオによると、黄浦江の上流に位置する浙江(Zhejiang)省嘉興市(Jiaxing)でも、ブタの死骸5528匹が回収されたという。

■どこから流れてきたのか依然わからぬまま

 ブタの死骸がどこから流れてきたのかについて、正確なことは依然わかっていない。嘉興市の養豚農家が投棄したものと非難されているが、嘉興市当局は同市単独の投棄ではないと主張。一方、上海市当局もブタが大量死するような疫病の報告は上がっていないとしている。

 ブタの死骸からは、ブタによくみられる疾病でヒトに感染しないブタサーコウイルスが検出されている。

 ブタの死骸が大量に漂う画像は、国際金融の中心地として成長を目指す上海にとって極めて屈辱的なものとなった。またこの騒動は、中国における食の安全性での問題を提起するものとなり、中国で最もポピュラーな存在であった豚肉までもが疑問が残る食材のリストに加えられることになった。(c)AFP