【11月20日 AFP】東欧ルーマニアで太陽光発電所に対する投資が現在のペースのまま続けば、2016年には太陽光による発電量が原子力発電を上回るとする予想を19日、同国のエネルギー監督当局が発表した。

 同国エネルギー規制局(ANRE)高官のゾルタン・ナギ(Zoltan Nagy)氏は、太陽光エネルギーに関する会議で「わが国の太陽光発電所の発電容量は年内に5万~10万キロワットに達し、2013年末には50万~100万キロワット、そして2016年には150万キロワットを上回ると見込んでいる」と語った。

 一方、チェルナボーダ(Cernavoda)にあるルーマニア唯一の原子力発電所の原子炉2基の発電量は合計約140万キロワットで、同国のエネルギー需要の18%に相当する。このチェルナボーダでは、さらに原子炉2基の建設が計画されているが、建設に必要な40億ユーロ(約4150億円)を調達するにあたっては目処が立っていない。

 ルーマニアではこの2年間で風力発電プロジェクトが大幅に増加し、今度は太陽光エネルギーへの投資急増を目の当たりにしている。韓国のサムスン・グループ(Samsung Group)は現在、発電量4万5000キロワットを見込む太陽光発電所の建設をルーマニア南部2か所で検討している。

 ANREのNicolae Havrilet長官によれば、ルーマニアにおける再生エネルギー利用の割合は現在8~9%で、2020年までにこの数字を20%にすることを目指している。

「風力発電が最大限に達した今、太陽光が最高の投資機会を提供している」(同長官)

 太陽光関連情報専門サイト「PVルーマニア(PV Romania)」が引用した米コンサルティング大手アーンストアンドヤング(Ernst and Young)による今年5月の調査では、ルーマニアは欧州で6番目に太陽光発電への投資が魅力的な国となっている。(c)AFP