【9月12日 AFP】米カリフォルニア(California)州で10日、卵の腐ったような臭いが約240キロメートルに及ぶ広い範囲で確認され、専門家による調査の結果、付近の湖で死んだ魚や藻類が原因であることが判明した。

 10日に強烈な刺激臭を当局に通報した人は200人に上り、同州で長く発生が懸念されている巨大地震の予兆となる何らかの地熱現象ではないか、との憶測がインターネット上を駆け巡った。

 だが、南海岸大気質管理地区(South Coast Air Quality Management District)の専門家らが翌11日に行った発表によれば、臭いの元は同州南部サンディエゴ(San Diego)から東に数時間の距離にあるソルトン湖(Salton Sea)にほぼ間違いないことが分かった。ソルトン湖では魚の死骸や藻類の腐敗が進んでおり、こういった有機物の腐敗からは、卵が腐ったような独特の臭いを放つ硫化水素が発生することが知られているという。

 専門家らの推測では、湖の浅瀬に強風が吹きつけたことにより、湖底に沈んでいた強い臭いを放つバクテリアが湖面まで浮上したとされている。10日のソルトン湖の硫化水素濃度は通常時よりも高かったが、人間の健康に回復不能な害を及ぼすほどではなかったという。

 カリフォルニア州では今月、南部で中規模の地震が短い期間で数百回立て続けに発生した他、ビバリーヒルズ(Beverly Hills)も揺れに2回見舞われており、住民らの間では大地震への不安が再び高まっている。(c)AFP