【7月17日 AFP】カナダ・モントリオール(Montreal)で、これまで同国で生息が確認されていなかった中南米産のチョウの幼虫が発見された。研究者らは、寒冷な同国で進む温暖化の影響だとみている。

 モントリオール市内にある植物園と昆虫館は16日、ジャイアント・スワローテール(giant swallowtail)とも呼ばれるアゲハチョウの一種「クレスフォンテスタスキアゲハ」が敷地内のアメリカザンショウの木で初めて見つかったと発表した。

 声明では「このチョウがモントリオールに到達したことは、気候変動の影響を明確に示している」としている。

 クレスフォンテスタスキアゲハは主に中南米に生息しているが、1990年代後半から北アメリカでも確認されるようになり、カナダと米国の国境周辺でも目撃されるようになった。北米最大のチョウとされており、羽を広げた時の幅は最大15センチになる。

 他のチョウ類の生息域は10年に平均16キロのペースで北上しているのに対し、クレスフォンテスタスキアゲハはその15倍もの速度で生息域を拡大している。生育可能な個体数を維持するのがこれまで困難であった地域にも進出し、現在までに400キロメートルにもわたって生息域を広げている。(c)AFP