【1月30日 AFP】福島第1原発の事故があった2011年度、日本の製造業の温暖化ガス排出量は前年度よりも増え、政府が掲げる温暖化ガス削減目標の妨げになりそうだ。

 29日の日本経済新聞(Nikkei)によると、11年度の主要製造業399社の国内温暖化ガス排出量は前年度比0.2%増の約3億8800万トンとなり、2年連続増加の見通しであることが同社の「環境経営度調査」で分かった。ガス・エネルギー業界を除いた全産業を合わせた排出量は約4億4200万トンで2010年度とほぼ同じ。

 製造業については、福島の事故を受けて原発が停止したため各社が自前の発電設備を稼動させたことが、排出量増加につながったという。また、火力発電所など原発以外の発電に必要な資源が増加した面からも、温室効果ガス排出量は増えた。

 京都議定書の下で、日本は08~12年の平均排出量を1990年比で6%削減することが義務付けられているが、この達成目標の妨げとなりそうだと日経は指摘している。

 4月には全国の商業用原発54基全てが停止する見込みが濃厚となっており、その場合、排出量はさらに増加する可能性がある。(c)AFP