【12月8日 AFP】南アフリカ・ダーバン(Durban)で開催中の国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)第17回締約国会議(COP17)は7日、各国間の溝を埋めることはできず、2012年末に期限を迎える京都議定書を延長するかは微妙な情勢となっている。

 日本やカナダ、ロシアは、京都議定書への批准を拒否している米国や新興国が議定書の制約を受けない限り、議定書は無意味だとして、延長はしない考えを表明している。カナダは、「京都議定書は今や過去の代物だ」と表現した。

 これまでのところ、世界の二酸化炭素(CO2)排出量のわずか11%を占めている欧州だけが延長に積極的な姿勢を見せているが、米国や中国などのCO2主要排出国すべてが法的拘束力のある気候変動協定を2015年までに締結し、2020年までに実施することに、原則合意することを条件に挙げている。

 ただし、欧州が掲げたこの「ロードマップ」に興味を示した主要排出国はこれまでのところ1か国もない。

 一方、米国は、2009年のデンマーク・コペンハーゲン(Copenhagen)での第15回締約国会議(COP15)の土壇場で合意された緩い、自発的なアプローチの実施を呼び掛けた。

 開発途上国にとって、京都議定書は富裕国と貧困国の協力関係を測る試金石だ。国連の潘基文(パン・キムン、Ban Ki-moon)事務総長は6日の閣僚級会合の開会式で、京都議定書の延長を呼び掛けた。

 ブラジル、南アフリカ、インド、中国は、京都議定書の延長は「不可欠」との考えを示しており、貧困国や太平洋の島国も7日、これを声高に支持した。(c)AFP/Richard Ingham

【関連記事】国連事務総長、「京都議定書の延長検討を」 COP17