【4月22日 AFP】国際環境保護団体グリーンピース(Greenpeace)は21日、放射能漏れが続く東京電力福島第1原子力発電所周辺の海水や海洋生物の汚染状況を調査するため、調査船「虹の戦士号」(Rainbow Warrior)を福島沖に派遣したと発表した。

 早ければ27日にも調査を開始する予定。グリーンピースは、同原発周辺で大気や土壌、食品の汚染の実態に関しても調査を行っている。

 東京電力は21日、福島第1原発の2号機取水口付近から高濃度の放射能汚染水が流出したことについて、流出が確認された4月2日の前日である1日から止水した6日までに、海へ流れ出た汚染水は520トン、放射性物質の総量は約4700テラベクテルとの推計を発表した。この数字は、保安規定に定める同原発1~6号機の年間放出許容量の2万倍に相当するという。

 東京電力は、高濃度汚染水の保管場所を確保するため、比較的、汚染濃度の低い水を意図的に海に放出した。総量は1万トンに上る。

 グリーンピース・ジャパンの佐藤潤一(Junichi Sato)事務局長は、「日本の食料事情は海産物に大きく依存している」と述べ、海洋調査の重要性を強調。また、「東京電力による大量の汚染水放出など、海域への放射能汚染水流出が頻繁に起こることを考えると、汚染の程度の実態と、人体や食物連鎖への影響を評価するため、独自調査を行うことが重要だ」と強調した。(c)AFP