【3月24日 AFP】風力や太陽光といったクリーンエネルギーにかかるコストは、2010年代の終わりまでには、石油やガスにかかるコストと同程度になる。米国のスティーブン・チュー(Steven Chu)エネルギー長官は23日、ピュー慈善財団(The Pew Charitable Trusts)のイベントでこのような見通しを示した。

 チュー長官は、「風力と太陽光は恐らく2020年までには、助成金がなくても、化石燃料と同等のコスト競争力を持つまでになると考えられる。したがって、再生可能なエネルギーおよび資源を開発する国や企業は、突然、世界市場を手にすることになるはずだ。そのような機会を逃すことはできない」と述べた。

 オバマ(Barack Obama)政権は、雇用創出につながるとの観点から、グリーンエネルギーに積極的に投資するよう各企業に呼びかけている。グリーンエネルギー分野で中国などの新興国に遅れをとりたくないとの考えもある。

 米議会は気候変動の原因とされる二酸化炭素(CO2)に関して排出規制を設けることに反対しているが、この背景には、化石燃料への依存を減らすとコスト高につながると共和党議員の多くが主張していることが挙げられる。

 一方で、政府、共和党とも、福島第1原子力発電所の事故で放射能汚染が懸念されているにもかかわらず、CO2を排出しない原子力エネルギーに対する肯定的な姿勢は変えていない。(c)AFP