【3月22日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)首相は21日、シベリア(Siberia)南部のハカシア(Khakasia)共和国を訪問し、絶滅危惧(きぐ)種で2014年のソチ冬季五輪(Sochi Olympics)のマスコットにもなっているユキヒョウと間近にふれあった。

 ワシの刺しゅうと「V.V. Putin」の文字が縫い込まれたキルトジャケットを着込んだプーチン首相は、おりに入れられている10歳のユキヒョウ「モンゴル(Mongol)」と対面。「なんて美しいネコなんだ」と感嘆してつぶやいた。

 国営テレビが公開した写真によると、プーチン首相はおりの数メートル手前でしゃがんでモンゴルを食い入るように見つめ、モンゴルはそんなプーチン首相を警戒した様子で見ていた。

 実は、モンゴルをめぐってはちょっとした騒動が持ち上がっていた。モンゴルは今月14日に調査目的で捕獲され、ヘリコプターで同地に連れてこられた。世界自然保護基金(World Wildlife FundWWF)ロシア支部は17日、モンゴルがおりに閉じ込められて弱ってきているとして、ただちに生息地に戻すよう求める声明を発表していた。

 モンゴルはプーチン首相との対面後、おりから逃がされたという。

■「わたしは普通の人間だ」

 プーチン首相は数年前から、アムールトラからシロクマまで、絶滅が危惧されているロシアの大型動物との「ふれあい」を続けている。今回ユキヒョウとも最接近したことで、2012年の大統領選を前にタフガイのイメージに磨きがかかることは間違いない。

 プーチン首相は国営テレビのインタビューに対し、国を挙げてユキヒョウなどの絶滅危惧種を保護することは、ここ数年のロシアの変化を象徴的に示していると述べた。

「ユキヒョウは1950年代、狩猟により絶滅しかけた。だがロシアは今、自然とその恵みに注意を払い、未来の世代にそれらを残そうと努めている。ロシアは変わったのだ」

 プーチン首相は、自分は「極めて普通の人間だ」とも付け加えた。「この10年間を除けば、わたしは普通の人のように生きてきたし、これからもそうするだろう」

 また、指導者として心がけていることも打ち明けた。「決断を下すときは常に、普通の人にどのような影響が及ぶかを考えるようにしている」(c)AFP

【動画】ユキヒョウと対面したプーチン首相(YouTube/AFPBB News公式チャンネル)