【1月24日 AFP】中国北部でまとまった雨の降らない状態が続いている。乾燥した気候が続く見通しのため、水不足の懸念が広がっている。国営メディアが24日、伝えた。

 京華時報(Beijing Times)は、北京(Beijing)では過去3か月以上目立った降雨がなく、これほど長期にわたって雨が降らないのは40年ぶりだと伝えた。北京市気象当局によると北京市周辺に植えられた小麦の苗の9割近くが、しおれて枯れそうになっているという。

 また、英字紙チャイナ・デーリー(China Daily)によると、同国東北部の山東(Shandong)省では60年ぶりの水不足になっている。飲料水不足に陥った住民は24万人に達しており、近いうちに30万人を超える恐れがあるという。一部地域では地元当局が消防車を出動させて住民に水を配給している。

 専門家の間では、地球温暖化や干ばつ、人口2000万人の北京とその周辺地域の水消費量の急増などが水不足の原因だと言われている。

 中国北部では水不足問題に長年悩まされており、同国中部の長江(揚子江、Yangtze River)支流から水を迂回させて水不足の北部に流す計画も始まっている。しかし、当初は2010年には北京に水が流れる予定だったが、大規模事業に伴う住民の移転問題などで2014年に延期された。(c)AFP