【11月16日 AFP】自然保護の意識が高いがすしも好きだという人が、うっかり本マグロ(クロマグロ)を食べてしまわないための簡単なルールがある。値段がとっても高いのが本マグロだ。

 大西洋の本マグロの年間漁獲量の80%を消費する日本では、本マグロの一切れが20ユーロ(約2300円)するのも当たり前。2008年のマグロ主要5種の世界の年間漁獲量は400~450万トンだが、本マグロはそのうちの1%にも満たない約2万4000トンにすぎない。

 ツナ缶の原料には、マグロ属ではなくカツオ・マグロ類の年間漁獲量の60%を占めるカツオ属の魚が使われることが多い。ツナ缶の多くは欧米市場のほか豪州や日本に向けて出荷されている。

 自然保護論者たちは、世界市場におけるマグロ属の需要が高まることで本マグロ以外の魚種も危機にさらされる恐れがあると懸念する。その結果、価格は上昇し、水産資源保護のため漁獲割当の強化も必要になるだろう。

 1950年のマグロ主要5種の世界の漁獲量は70万トンだったが、1970年には110万トン、1990年には290万トン、2008年には420万トンに増加した。

 米環境NGO「ピュー環境グループ(Pew Environment Group)」のポリシーディレクター、スー・リーバーマン(Sue Lieberman)氏は、「科学者らの推計によれば、現在の漁獲量を続けていれば2030年までに海の大型魚をすべて食べ尽くしてしまう計算になる」と語った。(c)AFP