【9月21日 AFP】英BBC放送は20日、同放送の撮影クルーが史上もっとも高い標高でトラを発見したと発表した。

 BBCのウェブサイトによると、BBCの自然史部門の探検隊がトラを発見したのは、ヒマラヤ山脈の麓に位置するブータンの標高4100メートルの地点。探検隊のリーダーで、トラの専門家であるアラン・ラビノウィッツ(Alan Rabinowitz)さんは、「トラというのはジャングルの生き物だと思われてきた。彼らの生息地は狭められつつあるが、これほどの高さでも生きていけることがわかった。ここはジャングルよりも安全だ」と喜びをあらわにした。

 撮影チームは、木や地面に設置した隠しカメラで6週間にわたって撮影。カメラは動くものがある時に録画を開始するよう設定されていた。チームは、トラ生息の可能性があることはつかんでいたが、確かな証拠をつかんだのは今回が初めて。

 ビデオには、標高4100メートルの地点でメスとオスのトラが1頭ずつ映っていたほか、3000メートルの地点でも複数のトラが確認された。カラーの画像では1頭のトラが空気のにおいを嗅ぐ様子が映っており、夜間にうろつく姿も見ることができた。カメラを設置したカメラマンによると、メスのトラは授乳中とみられるという。

 環境保全団体「世界自然保護基金(World Wide Fund for NatureWWF)」によると、過去1世紀でトラの数は10万頭から3200頭に激減した。11月にはロシアのサンクトペテルブルク(St. Petersburg)で、トラが生息している13か国が参加して2022年までにトラの数を倍増させる方策を話し合う会議が開かれる。(c)AFP