【8月19日 AFP】世界気候研究計画(World Climate Research Programme)のガッセム・アスラー(Ghassem Asrar)事務局長と、世界気候研究計画の全体調整をする国連(UN)の世界気象機関(World Meteorological OrganizationWMO)は18日、パキスタンの大洪水やロシアの森林火災に関連している「ブロッキング現象」と呼ばれる気流の変化について、緊急に調査する必要があると述べた。

 アスラー事務局長がAFPに説明したところによると、ブロッキング現象は大雨や熱波を増長し、同じ地域にとどめ、異常気象を引き起こす可能性がある。地球温暖化のもとではより頻繁に起こると考えられている。

 同事務局長によると、パキスタンの豪雨やロシアの熱波が発生する数週間前、欧州の科学者らが、それらを引き起こしたブロッキング現象を気流の中に突き止めた。

 アスラー事務局長とWMOは、ここ数週間で発生したパキスタンの豪雨、ロシアの熱波、中国の土石流、グリーンランドの棚氷分離はいずれも自然発生的な異常気象の基準にあてはまらないと強調する。

 WMOは声明で、これらの現象が規模、期間、発生範囲のいずれの面においても、「前例のない連続的な現象」だとし、「ブロッキング現象発生の頻度や期間が今後変化するのか否かの解明は、気象科学における急務だ」と指摘した。

 アスラー事務局長も、これは太平洋におけるエルニーニョ、ラニーニャ現象の役割の変化とともに緊急に解明しなければならない問題だとし、気候・気象科学における優先順位は「急激に変わりつつある」と指摘した。(c)AFP