【8月3日 AFP】大西洋と地中海で捕られたクロマグロの大部分を消費している日本人は、その漁獲量が持続可能な程度に増加するまで、消費を控えるべきだ――。環境保全団体「世界自然保護基金(World Wide Fund for NatureWWF)」関係者が2日、語った。

 日本は、クロマグロの全漁獲高の4分の3を消費しているが、専門家は、過去数十年にわたる乱獲の結果、地中海のクロマグロ資源は3分の2以上も減少したと指摘する。

 WWF地中海オフィス担当のスサナ・サインズ・トラパガ(Susana Sainz-Trapaga)氏は「日本の取引業者や販売業者、消費者に訴えたい。彼らは、現在の不適切な管理状況を変えられる大きなチャンスを握っている。日本の消費者がクロマグロを買わなければ、意思決定権者は最終的に正しい解決法を見つけざるを得なくなる」と語った。

 サインズ・トラパガ氏は、日本の消費者は、関係各国がクロマグロ資源の回復措置を図るまで、代替品としてカツオやメバチマグロを選ぶべきだと述べた。

 大西洋まぐろ類保存国際委員会(International Commission for the Conservation of Atlantic TunasICCAT)は前年、2010年までに大西洋東部や地中海でのクロマグロ漁獲高を40%削減し、1万3500トンまで減らすことで合意した。

 WWFは、漁獲高をより厳格に8000トンまで削減しても、クロマグロ資源の回復の機会は50%しかないとする重要な研究結果を無視するものだとして、ICCATの合意を強く批判している。

 WWFは3日、絶滅の危機にひんしているマグロ類や違法漁業などについて、日本の消費者に直接伝える初の試みとなるシンポジウムを都内で開催する予定。(c)AFP