【8月2日 AFP】】国連教育科学文化機関(ユネスコ、UNESCO)は1日、ブラジルで開かれた世界遺産委員会で、中国・丹霞山(Danxia)やレユニオン島(Reunion Island)など新たに6か所を世界遺産(World Heritage)に登録した。

 ブラジリア(Brasilia)で3日まで10日間の日程で開かれている委員会はこれに先立ち、マーシャル諸島のビキニ環礁(Bikini Atoll)など計17か所の登録をウェブ上で発表していた。これにより、世界遺産の総数は910か所になった。

 新たに登録された6か所は、以下の通り。

- 「サンクリストーヴン(Sao Cristovao)のサンフランシスコ広場(Sao Francisco Square)」(ブラジル)。18~19世紀の教会、修道院、宮殿などが立ち並ぶ、かつての一大都市。

- 「丹霞山」(中国)。中国南西部にある、赤色のシルトが隆起してできた切り立った山々。希少種・絶滅危惧(きぐ)種400種の動植物が生息する亜熱帯の森を擁している。

- 「カミーノ・レアル・デ・ティエラ・アデントロ(Camino Real de Tierra Adentro)」(メキシコ)。メキシコ市(Mexico City)北部から現在の米国まで延びていたかつての交易路。16世紀から300年間にわたって、メキシコの鉱山で産出された銀の運搬ルートだった。

- 「オアハカ(Oaxaca)の中部渓谷にあるヤグルとミトラの有史以前の洞窟」(メキシコ)。一部の洞くつには、狩猟採集していた遊牧民が定住して農業を営むようになったことを示す岩絵がある。洞くつの中からは、数千年前の種とトウモロコシの断片が見つかっている。南米の最初の栽培植物の痕跡と考えられている。

- 「レユニオン島」(フランス)。インド洋に浮かぶ海外県の島で、複数の火山で構成され、亜熱帯雨林、雲霧林、ヒースに覆われており、独特の景観と生態系を育んでいる。フランスの国立公園が世界遺産に登録されるのは初めて。

- 「フェニックス諸島(Phoenix Islands)保護地域」(キリバス)。世界最大の海洋保護地域。世界最大級のサンゴの生息地でもある。死火山と見られる14の海山が、海洋生物の多様性に寄与している。

■危険遺産リストにも2つを追加

 なお、「危険遺産リスト」には新たに米フロリダ(Florida)州の「エバーグレーズ(Everglades)国立公園」とマダガスカルの「アツィナナナ(Atsinanana)の雨林」が追加され、計31か所になった。(c)AFP

【参考】「ビキニ環礁」など15か所世界遺産に、ユネスコ