【7月22日 AFP】全世界で埋蔵が確認されているウラン資源の量は、今後100年分の供給をまかなうに十分な量であるとの研究結果が20日、発表された。

 経済協力開発機構(OECD)の原子力機関(NEA)と国際原子力機関(IAEA)は共同発表した「ウラニウム2009:資源、生産、需要」と題された報告書で、「2008年の消費レベルであれば、確認されている資源量の総計は、100年分を供給するに十分」との見通しを示した。

 この予測があくまで現在水準の原子力エネルギー技術に基づいたものである点を強調した上で、「さらに進化した原子炉や燃料サイクル技術が開発されれば、長期的なウランの入手可能性に好ましい影響がもたらされるかもしれず、場合によっては今後数千年分でもまかなえるかもしれない」としている。

 いずれにせよ現在確認されているウラン資源は、「予想される必要量を満たすよりも多くある」と強調している。

 2年ごとに発表されている同報告書によると、09年1月1日時点で埋蔵が確認されているウラン資源は世界で合計630万トン。生産量が多い国はカナダ、カザフスタン、オーストラリア、ナミビアなど。

 報告書の発表を行ったIAEAのウラン生産顧問、ピーター・ワギット(Peter Waggitt)氏はさらに楽観的だ。同氏は「現在使用されているウランの大半は20~30年前に発見されたもの。それから新しいウランを発見していないのは、03~04年ごろまで真剣に探してもいなかったからだ。もっと大量のウランが眠っている可能性は高い。今後10年前後で新しく発見され、供給量が増えることもありうる」と語った。(c)AFP