【6月30日 AFP】太陽エネルギーでの世界一周を目指すスイスのソーラー飛行機「ソーラー・インパルス(Solar ImpulseHB-SIA」試作機が7月1日から、太陽エネルギーによる初の夜間飛行に挑む。

 開発チームによると、ソーラー・インパルスは、夏の快晴を利用し、パイエルヌ(Payerne)飛行場から飛び立つという。同機は1人乗りのハイテク機で、翼幅はエアバス(Airbus)A340と同じ63.4メートルもある。一方で、重量は家庭用乗用車と同程度の約1600キロだという。

 パイロットのアンドレ・ボルシュベルク(Andre Borschberg)さんは離陸後、最高高度8500メートルまで上昇。日中の飛行中にソーラーパネルで集めた太陽エネルギーをバッテリーに蓄積して夜通し飛行した後、7月2日の明け方に着陸する予定。

 ソーラー・インパルスは、10馬力の電動モーター4個を搭載しているが、このモーター1個で、100年前にライト兄弟(Wright Brothers)が人類初飛行に成功していた時に使用したモーターに匹敵するという。離陸時のスピードは時速35キロ程度で、巡航速度はそのほぼ2倍となる。(c)AFP