【3月17日 AFP】欧州で進む自然破壊により、同地域に生息するチョウ、甲虫、トンボのさまざまな種が絶滅の危機にひんしている――。国際自然保護連合(International Union for the Conservation of NatureIUCN)は16日、欧州のレッドリスト(絶滅のおそれのある野生生物の種のリスト)の最新版を公表した。

 それによると、欧州に生息するチョウ435種のうち、個体数が減りつつある種は30%強に上り、絶滅が危惧(きぐ)される種は全体の9%だった。絶滅が危惧される種の大半は、南欧にのみ生息している種だという。

 チョウが直面する最大の脅威は生息地の減少で、その原因としては、耕作を集中的に行ったり逆に放棄したりといった農作業の変化や、気候変動、森林火災、観光業の拡大といったものが挙げられるという。

 同様に、森林伐採は、腐木に依存する腐木食甲虫など、甲虫の一部の種の個体数減少を招いている。腐木食甲虫は生態系において、栄養素を再生するという重要な役割を担っている。

 欧州に生息する甲虫46種のうち、同地域からいなくなる恐れがあるのは11種、絶滅が危惧されるのは7%となっている。

 トンボも、淡水資源の枯渇により個体数が減少している。欧州からいなくなる恐れがある種は11%、絶滅が危惧される種は5%となっている。(c)AFP