【3月11日 AFP】国連(UN)の気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate ChangeIPCC)が2007年2月に発表した第4次評価報告書(Fourth Assessment Report)が専門家から「誤り」の指摘を受けている問題をめぐり、国連の潘基文(パン・キムン、Ban Ki-moon)事務総長は10日、IPCCのあり方全般について、外部機関に調査を依頼したと発表した。

 調査を行うのは、国際科学組織インターアカデミーカウンシル(InterAcademy CouncilIAC)。オランダ・アムステルダム(Amsterdam)に拠点を置く、15の科学アカデミー代表から構成される組織だ。国連は前月、IPCCの報告書作成過程などについて見直しを行うと発表していた。

 IPCCのラジェンドラ・パチャウリ(Rajendra Pachauri)議長をめぐっては、その統率力に批判が集中しているが、潘事務総長はIPCCの業績を擁護している。

 IPCCは数千人の科学者の英知を結集し、気候変動やその影響について調査・研究している。しかし、第4次評価報告書に記載された「ヒマラヤ氷河が2035年までに消滅する」との予測に対する誤りが指摘されて以来、その評価は下降している。(c)AFP