【2月25日 AFP】前年12月に開催された国連気候変動枠組み条約(UN Framework Convention on Climate ChangeUNFCCC)の第15回締約国会議(COP15)で中国代表団を率いた高官が、中国は当面、温室効果ガスの排出量に上限を設けるつもりはないと語った。

 25日の中国国営英字紙チャイナ・デーリー(China Daily)によると、COP15で中国副団長を務めた蘇偉(Su Wei)氏は、中国経済は依然、発展段階にあるため、二酸化炭素の排出は増やさざるをえないと発言した。そして現在の段階で中国は温室効果ガスの排出量の上限を「設けることはできないし、設けるべきでもない」と述べた。

 一方で蘇氏は、中国経済のエネルギー効率を高めるべく同政府は努力しているとも語った。

 中国はすでに炭素強度、つまり国内総生産(GDP)単位あたりの炭素排出量を2020年までに、05年水準の40~45%分削減する目標を掲げている。だが、蘇氏は今後10年間の中国の経済発展計画において、この目標が足かせになるとの見解を示した。

 蘇氏の発言が発表された前日、胡錦濤(Hu Jintao)国家主席が中国共産党の会議で、気候変動の問題に対する取り組みの重要性と緊急性、また困難さを中国は認識する必要があると述べていた。

 英国などは世界最大の排出国である中国がCOP15で拒否権を発動したために法的拘束力のある合意の採択が見送られ、地球規模のCO2排出量の削減を阻んだと、同国の対応を非難している。

 中国政府は国連に自国の温暖化対策計画を提出しているが、それは自主的なものだと位置づけ、コペンハーゲンで「合意」になびかなかった。(c)AFP