【5月15日 AFP】地球温暖化の影響で南極西部の氷床が溶解すると、海面が現在より約3メートル上昇し、地球上に大規模な被害がもたらされるとの予測が、14日の米科学誌「サイエンス(Science)」に発表された。

 南極西部の氷床が崩壊した場合、従来の予測では海面は5-7メートル上昇するとされていた。これに対し、英国とオランダの研究チームは海面は3.2メートル上がるとして、従来の予測は過大だったと指摘している。

 同チームは、南極西部の氷床の形状を新たに測定したデータを使い、海面上昇度を試算。海面が1メートルでも上昇すると、大規模な被害がもたらされるとみている。南半球における重力場が弱まり地球の自転にも影響し、北半球の海面が上昇するという。研究を指導した英ブリストル大(University of Bristol)のジョナサン・バンバー(Jonathan Bamber)氏は、海面の上昇速度や上昇率は場所によって異なるが、上昇率が最大となる北米沿岸では3.2メートルより25%ほど大きくなる恐れがあると述べている。(c)AFP