【3月5日 AFP】世界のアンテロープ類91種の25%以上が絶滅の危機にさらされていることが、国際自然保護連合(International Union for Conservation of NatureIUCN)の絶滅危ぐ種を示す「レッドリスト(Red List)」最新版で明らかになった。

 前回アンテロープ類の調査を行った1996年よりも状況が悪化している種もあるという。

 IUCNでアンテロープの専門家チームを率いるフィリップ・シャルドネ(Philippe Chardonnet)氏によると、食料や伝統薬にするための乱獲や、人間が生息地に侵入したことがアンテロープ類が減った主な原因だという。

 一方で、約70%のアンテロープ類には絶滅の危機は迫っていない。例えば、インドには4種類のアンテロープ類が生息しているが、絶滅危ぐ種に分類されているのは1種のみとなっている。専門家はインドには狩猟の伝統がなく、銃を持っている人も少ないためだろうとしている。

 また南アフリカのスプリングボックはアンテロープ類で唯一、生息数が長期間にわたり増加傾向にあるが、これは牧場で増やしたことが主な原因だろうとしている。(c)AFP