【2月28日 AFP】オーストラリアのトニー・バーク(Tony Burke)農林水産相は26日、地球温暖化対策の一環として、家畜から排出される温室効果ガスの削減に関する研究に、2680万豪ドル(約16億円)を投入すると声明で発表した。

 同国では、羊や牛、ヤギ計1億2000万頭がげっぷやおならで排出するメタンガスは、年間排出量全体の約12%を占め、第3位の排出源となっているという。餌の改良や家畜の消化器内のバクテリアを生化学的に制御する方法、品種改良などを研究する。

 政府顧問(地球変動担当)のロス・ガーナー(Ross Garnaut)教授は、前年10月に政府に提出した地球温暖化に関する報告書の中で、オーストラリアの対策の1つとして、メタンガスをほとんど排出しないとされるカンガルーをもっと食べ、家畜の数を減らすことを提言している。

 豪政府は気候変動対策として、2020年までに温室効果ガス排出量を2000年比5%以上削減すると表明しており、その一環として2010年には排出量取引導入を掲げている。(c)AFP