【1月6日 AFP】任期終了間近を迎え、環境問題でも自らの功績を残したいジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領は6日、太平洋の3海域に、世界最大の海洋保護区を創設することを発表する。

 米報道官によると、海の聖域であるさんご礁や希少な魚類、 海底火山などの保護を目的とするこの「国定天然記念物」指定に含まれるのは、米自治領の北マリアナ諸島(northern Mariana Islands)とマリアナ海溝(Mariana Trench)、米領サモアのローズ環礁(Rose Atoll)、中部太平洋の離島群の3海域。総面積約50万5000平方キロに及び、2008年に南太平洋の国キリバスが指定した過去最大の保護地域「フェニックス諸島保護区(Phoenix Island Protected Area)」の広さを上回る。

 また、マリアナ諸島の海底にある21の海底火山や熱水噴出孔を保護するために、多くの島しょ地域で漁を禁止または制限するという。

 指定地域のうち、マリアナ海溝は世界最深ポイントを擁する全長2400キロに及ぶ海溝で、またマリアナ諸島沿いの海底には活火山や熱水噴出孔が並んでいる。

 また、多くの離島を含む「Pacific Remote Islands National Monument(太平洋離島国定記念物)」には、サメや絶滅危惧種のカメ、数百万羽の海鳥を抱えるサンゴ礁生態系が広がり、キングマン礁(Kingman Reef)、パルミラ環礁(Palmyra Atoll)、ハウランド(Howland)島、ベーカー(Baker)島、ジャービス(Jarvis)島、ジョンストン環礁(Johnston Atoll)、ウェーク(Wake)島の7地域からなる。

 最後のローズ環礁の「Rose Atoll Marine National Monument(ローズ環礁国定記念物)」は、米領サモアにある小規模ながら密度の濃い、まさにサンゴ色のサンゴ礁として知られる。周辺には巨大なオオシャコガイやブダイ、さらにサンゴ礁に住むサメが多数生息しており、ザトウクジラやパイロットクジラ、ネズミイルカなども見られるという。(c)AFP/Kerry Sheridan