【12月31日 AFP】英国南部で、大型の雄のビーバーが農場から逃げ出し、木を切り倒すなどの騒ぎとなっている。飼い主は、このビーバーを捕獲するには「雌のにおい」でおびき出すしかないと語っている。31日、英各紙が報じた。

 この体重約38キロのビーバーは今年10月、デボン(Devon)州にある農場「アップコット・グランジ・ファーム(Upcott Grange Farm)」から雌のビーバー2匹とともに逃げ出した。雌2匹はその後すぐに近くの湖で捕獲されたが、雄ビーバーは見つからなかった。このビーバーは、グニスレーク(Gunnislake)にあるテーマー川(River Tamar)流域で、複数の木を切り倒したとみられている。

 当局の許可の下で24匹のビーバーを飼育している環境保護活動家のデレク・ガウ(Derek Gow)氏は、逃げたビーバーは雌ビーバーを探し回っていると指摘する。同氏は雌ビーバーをにおいを付けた箱を使った「ハニー・トラップ」でこのビーバーを捕獲しようと計画しており、現在、捕獲用のわなを製作中だという。

 ガウ氏は、ビーバーの飼育場所の周りに張り巡らしていた電流フェンスが洪水によって故障したために、逃げ出したとの見方を示している。

 英国のビーバーは乱獲により16世紀に絶滅した。野生のビーバーを復活させることを目指し、ノルウェーで捕獲したビーバー4家族を来年前半に野生に放す計画になっている。(c)AFP