【11月12日 AFP】鉢植え植物は、部屋を明るくしてくれるだけではなく、将来的には有毒ガスを吸収して「シックハウス症候群」を防いでくれるかもしれない。泉井桂(Katsura Izui)近畿大学(Kinki University)教授と阪井康能(Yasuyoshi Sakai)京都大学(Kyoto University)教授らが、ホルムアルデヒドを吸収する植物をこのほど開発した。

 ホルムアルデヒドは、建材の接着剤に使用される化学物質で、頭痛やめまいといったシックハウス症候群の原因物質と考えられている。

 研究チームは、ホルムアルデヒドを栄養源とするメチロトローフと呼ばれる細菌に注目し、この細菌が持つ2種類の遺伝子を、実験植物に使われるシロイヌナズナとタバコに組み込んだ。

 このシロイヌナズナと野生種を4週間、高濃度のホルムアルデヒドが入った容器の中で栽培すると、野生種はすべて枯れたのに対し、遺伝子を組み換えた方は生き残った。容器内のホルムアルデヒドの濃度も、野生種に比べて10分の1程度に減っていた。

 タバコでも、同様の結果が得られたという。

 泉井教授は、こうした結果について、土壌として使用した寒天もホルムアルデヒドを吸収した可能性を指摘した。将来的には、この手法を一般的な観葉植物に応用したい考えだ。(c)AFP