【9月4日 AFP】英ロンドンで3日、さまざまな製品の原料とするためにサメのヒレを切り取り海に戻す行為に抗議するため、アーティストの女性が自らの体にサメ用の「釣り針」を刺し、店のショーウィンドーの天井から吊り下がるパフォーマンスを行った。

 抗議行動を実行したのは、パフォーマンス・アーティストのアリス・ニューステッド(Alice Newstead)さん(26)。背中を血がしたたり落ちると見物していた人たちは息をのんだが、ニューステッドさんは痛さは感じないと強調した。

 ニューステッドさんは以前、高級ブランド店などが立ち並ぶロンドン市内のリージェント・ストリート(Regent Street.)にある化粧品メーカー、ラッシュ(Lush)のショップに勤務していたことがある。

「フカヒレ・スープの材料にされたり、いろいろな製品の原料としての需要から、サメの数が減っていることに抗議するため、これをやっている。前に、胴体や足、腕、おなか、ひざに針を通したことはあるから、体を吊ることはたいしたことではないわ」とニューステッドさんは語った。「背中から吊られるよりも胸側から吊られるほうが、呼吸が苦しいため辛いけれど、かぎ針を刺す人が適切な刺し方を分かっていれば、まったく安全」だという。

 サメをかぎ針で吊るしてヒレを切り取るヒレ採取に抗議するために、ラッシュと米環境保護団体「シー・シェパード(Sea Shepherd Conservation Society)」による共催で行われたこのパフォーマンスは15分間続けられ、買い物客が大勢見物に集まった。

 ロンドンでは2日にも日本大使館前で、イルカの捕獲に反対する抗議行動が環境活動家らにより行われた。(c)AFP