【8月22日 AFP】スウェーデンのストックホルム(Stockholm)で開かれている「世界水週間(World Water Week)」の会議で21日、気候変動でヒマラヤ山脈の重要な水源が危機にあり、13億人の生活に影響が出る恐れがあると専門家らが発表した。

 国際総合山岳開発センター(International Centre for Integrated Mountain DevelopmentICIMOD)の研究者マッツ・エリクソン(Mats Eriksson)氏によると、両極地域を除く世界最大の氷河・永久凍土を擁するヒマラヤ山脈では、急激に氷河の後退が進み、降雨量に劇的な変化が起こっているという。

 標高が高くへんぴな上、国家間の協力も難しいため包括的研究は困難だが、エリクソン氏は「この地域が気候変動に強く影響されている」のは明白だとし、「氷河の後退は年間最大70メートルと非常に大きい」と話した。

 中国の山地生態系統研究センター(Centre for Mountain Ecosystem StudiesCMES)のXu Jianchuセンター長は、チベット高原の気温は10年で0.3度上昇していると指摘する。山を下る水の約50%を氷河や雪が溶けた水が占めるこの地域では、これは大きな影響を及ぼす。

 ヒマラヤ山脈は中国、インド、ネパール、パキスタン、ミャンマー、ブータン、アフガニスタンにまたがり、アジアの9大河川の水源となっている。この水源に依存する人口は地球上で最も多く、エリクソン氏ら研究者によるとその人口は13億人だという。(c)AFP/Nina Larson