【8月19日 AFP】南極海で日本の調査捕鯨を妨害したとして警視庁が米環境保護団体「シー・シェパード(Sea Shepherd Conservation Society)」メンバーの逮捕状を取ったが、同団体は今後も捕鯨船への抗議活動を継続する決意を表明した。

「シー・シェパード」のポール・ワトソン(Paul Watson)代表は同団体のウェブサイトで、「われわれは屈しないし、撤退もしない。違法な捕鯨活動を続ける日本から無力なクジラたちを保護するため、断じて降伏しない」と言明した。

 警視庁は18日、南極海で前年2月に行われた日本の調査捕鯨船に対する威力業務妨害の疑いで、「シー・シェパード」メンバーの米国人2人と英国人1人の計3人について、国際刑事警察機構(International Criminal Police OrganizationICPO)を通じ、国際手配手続きを進めている。

 時事通信(Jiji Press)やTBSによると、警視庁は、さらに捕鯨船に発煙筒を投げ込んだ疑いのあるオランダ国籍の女1人を含む外国人3人についてもICPOに国際手配の手続きを取る方針だと伝えている。

 警視庁はこれらの報道についてコメントしていない。また、ICPOが世界各国に容疑者の身柄拘束を求める「国際逮捕手配書(赤手配書)」を、「シー・シェパード」の容疑者について発行したかについても確認しなかった。

 ワトソン氏はウェブサイト声明のなかで、日本の逮捕状請求は「明らかに政治的な思惑によるもの」としているが、国際手配依頼が政治的な動機に基づくとICPOが判断すれば、ICPOが容疑者の国際手配を拒否することもあり得る。

 ワトソン氏は、「メンバーの1人でも日本に逮捕されることがあれば、われわれは裁判を利用し、日本の違法な捕鯨活動への国際的関心を集めてみせる」と意気込みを示した。(c)AFP