【7月19日 AFP】カナダで見つかった推定100歳のロブスターを海に返そう――ロブスターを愛するカナダ人らが、東部ニューブランズウィック(New Brunswick)州の鮮魚店に働きかけている。この巨大ロブスターを所有する店主が18日、明かした。

「ビッグ・ディーディー(Big Dee-Dee)」と命名されたこのロブスターは、体重が10キロにも及ぶ。7月初頭にファンディ湾(Bay of Fundy)で捕獲され、現在はニューブランズウィック州Shediacの鮮魚店「ビッグ・フィッシュ(Big Fish)」に展示されている。

 店主のデニス・ブルー(Denis Breau)氏によると、数週間の内にオークションで売却するという。

 しかし、このロブスターを調理することに対して大規模な反対運動が起こっている。インターネット上の請願の他にも、カナダ西岸のバンクーバー(Vancouver)に住む女性が、動物愛護団体「バンクーバー・ ヒューメイン・ソサエティ(Vancouver Humane Society)」や国際動物愛護団体「動物の倫理的扱いを求める人々の会(People for the Ethical Treatment of AnimalsPETA)」に協力を要請したという。

 バンクーバー在住のローラ・リア・ショー(Laura-Leah Shaw)さんは、公営カナダ放送協会(CBC)に出演し、ロブスターを食べることは野蛮な行為だと訴えた。

「煮え立った湯の中に投げ入れられるなんて、とても苦しく痛いこと」とローラさんは述べ、オークションで競り勝ってロブスターを海に返すため、巨大ロブスター「ビッグ・ディーディー」の支援者らに対し「お金をためておこう」と呼びかけた。

 ロブスターを所有するブルー氏によると、巨大ロブスターを一目見ようと店舗には毎日1000人以上の観光客が訪れている。「(訪問客の)半分ほどが、盛大なパーティーを開いて(ロブスターを)食べてしまおうと言う。一方で残りの半分の人々は、ロブスターを海に返すよう望んでいる」とブルー氏は話す。

 また、水槽の中の巨大ロブスターをじっと眺めていた少年は、「ペットにしたい」と話したという。

 18日までにオークションで提示された最高額は、オンタリオ(Ontario)州在住の女性の3500カナダドル(約37万円)で、ロブスターを海に返す考えだという。

 ブルー氏は、「たぶん、海に返すことが正しいことなんだろう。オークションの行く末を見守るよ」と述べた。(c)AFP