【5月22日 AFP】「インディ・ジョーンズ」最新作では、死と隣り合わせの危機的状況から脱し、痛みに極限まで耐え抜いたハリソン・フォード(Harrison Ford)が、こんどは熱帯雨林を守るため、さらなる「危機」に立ち向かった。

 胸毛をはぎ取られたのだ。足やビキニライン、脇の脱毛の経験者なら、胸毛をはぎ取る痛みがどれほどのものかわかるだろう。フォードはエステティシャンにワックスで脱毛してもらう瞬間、顔をしかめながらも叫び声を上げることはなかった。
 
 これは、国際環境保護団体「コンサベーション・インターナショナル(Conservation InternationalCI)」が制作したプロモーションビデオの映像の中での話だ。『インディ・ジョーンズとワックスの復しゅう(Indiana Jones and the Wrath of Wax)』と題されたこの映像は、気候変動の進行を食い止めるため、熱帯雨林保護に向けた意識を高めることを目的に作られた。

 コンサベーション・インターナショナルの声明によると、熱帯雨林を伐採・焼却すると、気候変動の原因といわれる温室効果ガスの20%が排出されることになり、この数値は、世界中の車、トラック、飛行機が出す排ガスを合わせたものより多いという。だが、ほとんどの人はこの事実を知らずにいる。
 
 フォードはビデオの映像の中で、熱帯雨林の伐採が米国などの遠く離れた国々にも悪影響を及ぼすと語る。そして最後に胸毛をはぎ取られるのだ。

「熱帯雨林が伐採され焼かれると、膨大な量の炭酸ガスが大気中に放出される。それが天候を変え、悪影響を及ぼす。熱帯雨林で樹木が1本ずつ伐採されるたびに、はるかかなたの土地に暮らす人間に痛みが走ることになる」と、フォードは映像の中で語っている。

 コンサベーション・インターナショナルの理事も務めているフォードは、熱帯雨林を守るため今回快く「痛み」に耐えてくれたと、CIのピーター・セリグマン(Peter Seligmann)会長は話す。「ハリソン・フォードは情熱的な保護活動家で、CIの戦略や活動を約20年にわたり支えてくれている。重要なメッセージを伝えるため、世界的な映画スターとしての立場を利用してくれたことに、われわれは感謝している」

 ちなみにセリグマン会長が語ってくれた撮影現場の裏話によると、俳優のフォードが胸毛を剃った瞬間のしかめっ面は演技ではなかったという。(c)AFP