【3月16日 AFP】千葉県で開催された温室効果ガス主要排出国による「地球環境に関する閣僚級会合」(環境G20)は16日、京都議定書以降の枠組み作りに協力して取り組む点で合意したが、果たすべき責任に関し先進国と途上国間で主張が分かれたまま閉幕した。

 世界全体の温室効果ガス排出の合わせて80%を占める主要20か国の代表らは、2012年に期限の切れる京都議定書(Kyoto Protocol)後の取り組みに関し、先進国と途上国の主張の差を埋めようと試みた。

 共同議長を務めた鴨下一郎(Ichiro Kamoshita)環境相は、2013年以降の次期枠組み交渉は各国で共有しながらも、責任は異なるという方針で一致したと発表した。また、先進国、新興国、途上国間に異なる立場があることが鮮明化されたと語った。

 発展途上国側は温室効果ガスの削減目標において、先進国と同じ目標を要求されることは不当だと主張している。また先進国内でも合意の不一致がある。米国は途上国に何の要求も課さないのは不公平だとして、2012年に期限の切れる京都議定書を批准していない。

 日本は今回の会合で、産業別にエネルギー効率目標を定める「セクター別アプローチ」を提案したが、途上国が疑義を呈した。鴨下氏は日本の提案について、各国に課す排出ガス削減目標とは違った新しい構想を示すもので意味があると擁護した。

「セクター別アプローチ」に特に難色を示したのは南アフリカで、出席したマルティナス・ファンスカークバイク(Marthinus van Schalkwyk)環境・観光相は「先進国と途上国がセクター別アプローチでも意見が分かれるのは明らかだ」と批判した。しかし、同相は同時に同会合で、途上国側の懸念に焦点が当たった部分もあったと評価した。「行動が緊急を要するものであることは南アフリカも理解している。途上国として気候レジームにおけるわれわれの役割分担を負う準備はできている」と語った。

 7月に北海道洞爺湖で開催される主要国首脳会議(G8サミット)の議長国を務める日本は、国連の支持を受けている年末までのポスト京都議定書の作成について同サミットで進展をもたらしたいとしている。

 前年のドイツG8サミットで先進国側は、2050年までに温暖化ガス排出量を半減させることを「真剣に検討する」との合意に至ったが、拘束力のある取り組みはなく、また削減の基準年をいつと定めるかあいまいなままだ。(c)AFP/Kyoko Hasegawa