【10月16日 AFP】ロンドンの大英博物館(British Museum)で9月から開催されている兵馬俑の展覧会で、環境保護活動家が中国の大気汚染を批判し、展示されていた兵士像の2体にマスクをつける騒ぎが起きた。15日、イブニング・スタンダード(Evening Standard)紙が報じた。

 柵をよじ登り、「二酸化炭素の排出源」と書かれたマスクを兵馬俑につけたのは、マーティン・ワイネス(Martin Wyness)さん(49)。マスクがつけられた兵馬俑の写真と一緒にこの事件を報じた同紙のインタビューに対し、ワイネスさんは「気候変動、特に中国で起きている変化に対して、世界が何も行動を起こさないことに大きな危惧を抱いている。だからマスクをかぶせたのだ」と語った。

 Wynessさんは、2人の娘とともに同展覧会を訪れていた。マスクをかぶせた直後、警備員に取り押さえられたという。
「柵をよじ登る男が見え、とても静かで落ち着いていた。警備員は誰も気づいていなかった。来場者が知らせたときに、やっと警備員たちは状況を理解し、2人が走り寄って男を取り押さえた。兵馬俑に損傷を与える可能性もあったが、マスクをつける以外、彼は何もしなかった」と、目撃者のAmelia Hanrattyさんは語った。

 展覧会に同行していた中国当局が、兵馬俑の状態をチェックしているという。Wynessさんは、同博物館への今後の立ち入りを禁じられた。
(c)AFP