【9月16日 AFP】長引く日照りの影響で住みかを失ったクロクマが、食べ物の匂いにひかれて住居に侵入しゴミ箱をあさったり、冬眠前の栄養摂取のため人間の生活圏に現れるといった事例が米国西部で相次いで報告されている。自然界のエサ不足だけでなく、山火事や市街地開発などもクロクマの生息地を脅かしているという。

 コロラド州ボルダー(Boulder)では、住宅地の木に登ってしまったクロクマを住民が見つけ、ホースで水をかけたり、物を投げて叫んだりしても、このクマ木の上からまったく動く様子はなかった。最終的には逃げ去ったものの、このクマには一度保護された際に付けられたタグが確認されており、再度捕獲されれば殺処分されるところだった。

 約8000頭から1万2000頭のクロクマが生息するコロラド州では、今年に入ってから銃殺または殺処分されたクロクマの数が2002年に記録された404頭にすでに迫っており、また西部ではどこも同じような状態だとされる。

 クロクマが人を襲うことはまれだが、ユタ州(Utah)では7月に11歳の少年がキャンピング用のテントから引きずり出される事件も起きている。

 またカリフォルニア州(California)では約3万頭のクロクマが生息しており、12年前の1万2500頭から大幅に増加した。

 大人のオスグマの体重は通常68キロから160キロで、冬眠に入る直前の11月には1日最大20時間を食べることに費やすという。(c)AFP/Judith Crosson